「音楽を聴くと勉強がはかどる」
という考えは、科学的な観点からはあまり正しいとは言えません。
音楽は、聴く人に高揚感や達成感を与える効果を持っています。
人々が音楽を聴く理由の一つは、音楽が高揚感や達成感を引き出してくれるからです。
勉強中に音楽を聴くと、脳はこれらのプラスの感情を感じることがあります。
しかし、これは実際には勉強の効果を上げるものではありません。
脳は音楽によって生み出される高揚感を、勉強の成果と勘違いしてしまうだけです。
つまり、脳は音楽によって錯覚してしまうのです。
人間の集中力は非常に繊細であり、たった2.8秒の邪魔が入るだけで勉強や作業の効率が50%以上も低下することが分かっています。
そのため、音楽を聴きながら勉強することは、常に集中力を保つのに邪魔されている状態と同じくらい効率が悪いことが分かっています。
言い換えれば、集中状態というものはわずかな妨害で崩れるため、音楽を聴きながらの勉強は効率的な学習や作業を行うこととは相性が悪いのです。
実際に一定期間試し、テストしてみると判るのですが、音楽を聴かずに学習する方が成績が良くなります。
音楽を聴きながら勉強することは別のデメリットももたらします。
音楽を聴くこと
勉強すること
音楽を聴きながら勉強することは以上の二つを同時遂行しているため、"マルチタスク" に該当します。
マルチタスクとは異なる作業を同時に行うことをいいます。マルチタスクは、脳に大きなダメージを与える可能性があることが判っています。
マルチタスクが脳に与えるダメージは思ったよりも深刻であり、その影響は大麻のそれと比較されるほどです。
音楽を聴きながら勉強すると、勉強効率が下がるばかりか、脳の機能が低下してしまう可能性があるのです。
例えば、複雑な数学の問題や文章を理解する際、音楽が脳の注意を引いてしまい、深い理解や集中が難しくなることがあります。
また、重要なテキストを読みながらバックグラウンドで流れる音楽が、理解に必要な情報に注意を向けるのを妨げることが考えられます。
それでも音楽を聴きながら勉強したい方へ
音楽が勉強に一切役立たないわけではありません。
実際、特定のタイミングで音楽を聴くことが、勉強を助けることが分かっています!
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