効果的な記憶術についての興味深い研究結果があります。
サセックス大学の研究によれば、たった38秒で、学んだ情報を長期間忘れにくくする方法があるとされています。
この大学は、実験において被験者を2つのグループに分け、同じYouTube動画を見せました。
視聴後、一方のグループは復習を行わず、もう一方のグループはわずか40秒だけ復習を行いました。
そして2週間後、両グループに同じ動画に関するテストを受けてもらいました。
その結果、復習を行わなかったグループはほとんど動画の内容を覚えていませんでした。2週間が経過しているため、忘れるのは当然のことです。
一方で、平均38秒だけ復習を行ったグループは、非常に高い記憶率を示しました。
ここまでの結果から、「復習」の重要性は明白ですが、「38秒」という短い時間がポイントとなることに疑問を持つかもしれません。
しかし、サセックス大学の研究はまだ続いています。
復習を38秒行ったグループは、2週間後のテストの後にMRI検査を受けました。
その結果、復習によって後部帯状皮質が活性化していることが明らかになりました。
後部帯状皮質は長期記憶などを支配する脳のエリアであり、38秒の短い復習がこのエリアを活性化することが示されました。
復習の時間が38秒であることが重要であり、それより短いか長い場合には効果が低下するんだそうです。
言い換えれば、38秒の復習が効果的です。
また、この38秒の復習は学習直後に行うことが効果的であり、復習の方法としては「アウトプットすること」が最適とされています。
学習直後の38秒の復習(アウトプット)は、脳の長期記憶を強制的に活性化させ、学んだ内容を確実に記憶に定着させます。
この38秒の勉強法は、数学や英語、読書など幅広い学習に役立つことが示唆されています。
ぜひ参考にしてみてください。
参考文献
Chris M. Bird, James L. Keidel, Leslie P. Ing, Aidan J. Horner and Neil Burgess Journal of Neuroscience 28 October 2015, 35 (43) 14426-14434; DOI: https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.1774-15.2015
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