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  • 執筆者の写真MEYASUBOX

ヘビメタと知能の驚くべき関係

更新日:2023年8月22日




トップレベルの頭がいい人たちが好む音楽とは?!


今回は、頭の良い人々が好む音楽に関する興味深い話をご紹介いたします。さらに、この音楽が聴くことで知性が向上する可能性すらあるとの言われています。


2007年、ワーウィック大学による研究が行われ、頭の良い人々が好んで聴く音楽について調査されました。それが、なんと「ヘビーメタル」です。


この研究は、頭の良い人々が好む音楽の特徴を探求するものでした。その結果、彼らがヘビーメタルというジャンルの音楽に共感を覚えることが明らかになったのです。



この研究では、11歳から18歳の1057人の若者を対象に、音楽の好みと学業成績の関係性を調査しました。


具体的には、彼らの音楽の好みと学校の成績の相関を見つけるための取り組みであり、頭の良い人たちがどのような音楽を好むのか、その関連性を探求することを目指しました。


その結果、成績の上位5%に入る若者は、ヘビーメタルを好む傾向が高いことが示されました。しかし、この観察結果からは、ヘビメタを聴いていることが成績向上に直接的に影響を与えているのか、あるいは成績の高い人たちがヘビメタを好む傾向があるのか、因果関係は明確には分かりません。


研究チームは、頭が良い人々が知性が高いため、感覚や常識、考え方の違いに敏感であり、他人との違いを感じやすい性質を持っていると説明しています。これによって彼らは孤独感を抱えることもあり、他人との交流においてプレッシャーやストレスを感じやすくなるとされています。


普通には、人間関係の充実が幸福感につながるとされていますが、頭の良い人々に関しては、知的好奇心を追求することに喜びを見出すことが多いと言われています。そして、この点においてヘビーメタル音楽が一定の役割を果たしていることが確認されています。


ヘビーメタル音楽は、頭の良い人々が抱えるプレッシャーやストレスなどのネガティブな感情を緩和し、心理的な健康をサポートする役割があるとされています。そのため、ヘビーメタル音楽を聴くことによって、ストレスの解消やポジティブなメンタルの維持に貢献している可能性が高いと考えられています。


周りとのズレによるストレスから解放してくれる


頭が高いレベルにあると、他の人々との感覚の一致が難しくなることがあります。


社会の裏側や世界の仕組み、ビジネスの実態などを把握すると、多くの人々が高く評価しているものでも、その裏側や内在する疑問や不整合に気づくことがあります。


こうした視点が多くなると、当然ながら共通の話題が減少し、他人とのコミュニケーションが難しくなることもあります。


こうした人々にとって、ヘビーメタル音楽が解放感をもたらす理由について、一つの考え方が示されています。


この視点から見れば、高い知性を持つ人々は、ヘビーメタル音楽が提供する解放感やエスケープの効果を求める傾向があるのかもしれません。言い換えれば、知性の高い人々は、社会的なプレッシャーやストレスから逃れるために、ヘビーメタル音楽が提供する安らぎやポジティブな心境への移行を利用している可能性があると言えるでしょう。


この意味で、知性が高まるとヘビーメタル音楽を好む可能性が高まるかもしれません。また、知性の向上によってストレスを感じる人々や、自己研鑽を通じて他者を凌駕しようとする人々が直面する挑戦に対抗するために、ヘビーメタル音楽が一種のサポートとして機能していると考えることもできます


ポジティブになれる

他の研究でも、ヘビーメタル音楽が人々の心をポジティブに導く可能性があることが示されています。


クイーンズランド大学の研究では、ヘビーメタルやハードコアなどの激しい音楽が人々に与える影響について調査が行われました。


18歳から34歳の日常的にこのような激しい音楽を聴いている人々を対象に、16分間のインタビューが行われました。このインタビューでは、不快な記憶や腹が立つ経験、悲しい出来事などを思い出してもらい、一時的に不快感を味わってもらいました。


その後、参加者は2つのグループに分けられました:

  1. ハードな音楽を10分間聴くグループ

  2. 何も音楽を聴かずに10分間待つグループ

こうして、どちらのグループの方がストレスや不快感が減少したかということが調査されました。


結果として、ハードな音楽を聴いていたグループの参加者は、ストレスやイライラといった感情のレベルが大幅に低下していたことが分かりました。


ただし、これはもともとヘビーメタルやハードコアが好きな人々だから起きた現象ではないかと思うかもしれませんが、研究者たちは、敵意や興奮、ストレスといったネガティブな感情がハードな音楽を聴くことで減少することを確認し、中でも最も変化があったのが「やる気」のレベルだと指摘しています。


つまり、ヘビーメタルやハードコアなどの激しい音楽は、ネガティブな感情を軽減し、ポジティブな感情を増加させる効果があるとされています。


したがって、新しいことを始める際やモチベーションが低下していると感じる時に、ヘビーメタル音楽を聴くことが効果的かもしれません。10分程度ヘビメタを楽しむことで、やる気を引き出す手段として活用できるかもしれません。



自分の感情に合わせた音楽を聴こう


トップ5%に入るほど優れた頭脳を持つ人々が、ハードな音楽を好む傾向が高いという研究結果が示されました。このようなハードな音楽を好む人たちに共通する特徴として、自分の感情に合わせて曲を選ぶことが挙げられます。


具体的には、怒りを感じた時には怒りをテーマにした曲を、悲しみを感じている時には悲しみや孤独を歌った曲を選びやすくなります。


このような選曲の背後には、感情に向き合い、詳細に分析し言葉にすることで、感情をコントロールしやすくするという人間の特性があります。ヘビーメタルやハードコアの曲は、しばしば死や悲しみ、怒りといったネガティブな感情を描いています。そのため、自分がネガティブな感情を感じている時にこれらの曲を聴くことで、感情を客観的に捉えることができるようになります。


このように感情を客観的に見る能力を磨くことで、ネガティブな感情をコントロールし、ポジティブな感情が芽生えやすくなり、やる気や集中力が向上し、頭の良い人たちが実践する行動を取りやすくなるとされています。


したがって、この実験でハードな音楽が使われましたが、このようなジャンルが好きでない場合でも、自分の感情に合った曲を選んで聴くことで同じような効果が期待されるでしょう。


一方で、気分が高揚している時には楽しい曲を聴くことで冷静さを保つこともあります。これらの要点をうまく活用することで、感情をコントロールし、よりバランスの取れた状態を保つことができるかもしれません。


つまり、怒りを感じた時には怒りに関する曲、へこんだ時には悲しい曲といった感情にマッチした曲を選んで聴くことで、感情を客観的に捉えるスキルを磨き、ネガティブな感情にも上手に対処できるようになるとされています。ぜひ参考にしてみてください。




 S.M. Cadwallader(2007)The Darker Side of Bright Students: Gifted and Talented Heavy Metal Fans
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnhum.2015.00272/full#h6 

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