ADHDの子供たちの集中力を上げる

今回は、集中力を向上させる方法をご紹介します。この方法は大人にも適用可能です。
特に、ADHDや集中力が乏しいと感じる方々に役立つ内容です。
集中力を高めるためのトレーニングやテクニックは数多くありますが、最初からある程度の集中力がなければ、これらの方法を実践するのも難しいかもしれません。
しかし、どんなに集中力が低いと感じる方でも、その底上げが可能な方法が存在します
2015年に行われたサンパウロカトリック大学の研究では、ADHDの子どもたちを対象に、集中力を向上させる方法について調査が行われました。
この研究では、年齢が10歳から16歳の56人の被験者を集めました。その中で半数はADHDの症状が現れる人々でした。
被験者たちには、ランニングとテレビゲームを行う実験が行われました。この実験では、被験者全体を4つのグループに分けて、集中力の変化を調査しました。
ADHDの症状があり、ランニングとテレビゲームの両方のプログラムに参加したグループ
ADHDの症状がなく、ランニングとテレビゲームの両方のプログラムに参加したグループ
ADHDの症状があり、ゲームのプログラムにだけ参加したグループ
ADHDの症状がなく、ゲームのプログラムにだけ参加したグループ
つまり、ADHDの症状の有無と、ランニングを行った後にテレビゲームをする場合とランニングを行わずにテレビゲームをする場合のスコアを比較しました。
研究は、集中力を必要とするテレビゲームのスコアが、運動(ランニング)を行った後に改善するかどうかを調査しました。また、ADHDの症状がある人々とそうでない人々とで、この関係を比較しました。
研究の結果は、ある程度予想がつくかもしれませんが、ADHDの症状がある人や極端に集中力が低い人々は、ランニングの後にゲームをすることで驚くべき程の集中力向上が見られました。
一方、ADHDの症状のない人々がランニングの後にゲームをしても、集中力に大きな変化は見られませんでした。
これにより、運動は特にADHDや極端に集中力が低い人に対して、集中力を向上させるための効果が強いことが示されました。
具体的には、ADHDの症状がある人々がランニングの後にゲームをする場合と、ランニングをしないでゲームをする場合を比較すると、ランニングをすることで集中力が35%も向上したことが明らかになりました。
一方、ADHDの症状のない人たちは、ランニングをしてもわずか2.5%の集中力の変化しか見られませんでした。
運動は集中力を高める!
もちろん、ここで述べた結果は、非ADHD人には運動が無駄だということではなく、実は運動を通じて集中力を長期的に鍛えることができるし、心肺機能の向上によって頭の働きも活性化されることを意味しています。
しかし、特にADHDの人々にとっては、わずかな体の動きや、動きながら行うことだけでも、驚くべき程の高い集中力を発揮する可能性があるのです。(うろうろするも効果ありでしょうね)
子供の集中力を2倍にする!
子供の集中力を向上させる方法は他にもいくつか存在し、親御さんが実践することで子供の集中力を2倍にする方法があります。この方法はADHDでない子供にも効果があります。
それは週に1回、自然の中での授業や活動を行うことです。これにより、その週全体を通じて集中力が2倍に向上するという研究結果があります。
人間は日常的に建物の中で過ごすことが多いですが、自然に触れることで注意力が最適な状態に調整されることが分かっています。
注意力や集中力は適度なレベルで保たれることが重要で、過度に高まるとストレスがかかり、逆に低すぎると何も手につかなくなる可能性があります。
こうした注意力の最適化を自然がサポートしてくれるのです。
したがって、適切な集中力の状態を保つためには、週に1回自然の中で過ごすことが重要です。
学校がこのような活動を提供していない場合でも、親が週に1回子供を自然に連れて行くことで、子供の集中力を向上させることができるでしょう。

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